昔、カバードワラント、略してカバワラというのがありました。カバワラとはワラントの一種で、単純にオプションだと思えばいいです。カバワラはゴールドマンサックスやパリバが販売していて、オプションの場合は投資家同士の取引ですが、カバワラはゴールドマンサックスやパリバが胴元として、販売や買取をしています。その為胴元が損をしないように普通のオプションよりも不利な条件での取引になるので、少ない資金で大きく稼げる仕組みで人気のあったカバワラも、実際は儲からないということで人気が廃れていきました。その結果パリバはカバワラの取り扱いをやめて、ゴールドマンサックスは事業を譲渡しました。この譲渡先がeワラント証券会社になります。
eワラント証券会社に変わって何が変わったのか?
カバワラは新しくeワラントとして売買されることになり、仕組みが前よりも改善されたか実際にデモトレードの結果からみると、全く改善されていませんでした。eワラントの計算方式は相変わらず胴元有利の計算式で、外国為替で試したところFXでやった方が儲かるという結果でした。外国為替は今はバイナリーオプションがあって、こちらの方が利益率が高いということがあって、外国為替は不人気です。株の方は個別株オプションが無い分まだ利用者が多く、日経平均の方もオプションの条件の厳しさで、普通にオプションを売買するよりもeワラントで売買することを選ぶ人が多いです。eワラント証券会社になって何が変わったかですが、まずニアピン、トラッカーとトラッカーにレバレッジが使えるレバレッジトラッカーが増えました。
ニアピンとは
ニアピンとは水準を当てると儲かる仕組みで、例えば日経平均が2018年9月9日に20000円になると判断した場合、その日のピン価格が20000円のワラントを買えばよいわけで、この時ピン価格から少しずれていてもニアピンとして利益になる仕組みになっています。ただピン価格から離れれば離れるほど買い取り価格が安くなっていって、買ったタイミングによっては損になります。受取金額ですが、日経平均の場合はピン価格が一致した場合は1ワラントあたり100円になります。逆にピン価格から上下250円以上離れると受取金額は0になります。上下250円以内に収まれば受取金額 = 100円 - ピン価格と満期参照原資産価格の乖離額× 0.4の計算で受取金額が決まります。
トラッカーとは
トラッカーとは、eワラントとは違って時間が経つごとに価値が減少しない仕組みの物でして、株式のような感覚で取引ができます。手数料はありませんがeワラントと同じで販売価格と買い取り価格の間にスプレッドがあります。例えば日経平均ならETFで売買できますが、トラッカーなら東京証券取引所の営業時間外でも売買できます。ブルベア型に似たものとしてレバレッジトラッカーがあります。こちらは普通のトラッカーにレバレッジを掛けた動きをするように商品設計されています。トラッカーはワラントと同じく満期があります。
税金はどういう扱いか
eワラントは税制上は「先物取引に係る雑所得等」の扱いになりFXの損益と合算されます。つまりeワラントで稼いでいてもFXで損を出していれば、損失の額によっては税金を取られなくて済むということです。
デモトレードで試してみた結果
どんなものかデモトレードで試してみたところ、意外と値動きが大きくなくスプレッドの差で原資産が大きく動かないと利益が出しにくい問題点があります。タイムディケィでワラントの価値が減少していくこともあって、長期ではもちたくない商品です。それでもリスクが限定されていて、相場が大きく動けば大きく稼げるので、相場が大きく動くタイミングなら利用してみる価値があるということで、口座を開設して利用することにしました。口座開設はeワラント証券でもよかったのですが、利便性でSBI証券にしました。まだ入金もしていないので、とりあえずデモトレードで引き続き研究をしていきます。
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